西消防署西神南出張所

西神南地区は、緊急車両到着時間が掛かることや今後の人口増加・高齢化の進展により、地域内防災・救急出動件数が増加することが予想されるため、新たな出張所整備が急務となった。
敷地は、大きなカ－ブに沿った細長の変形敷地であるため、緊急車両に乗車した段階からカ－ブした道路の全体像が見渡せ、安全かつ迅速に出動できる配置・平面計画としている。
構造は、鉄骨造で使用する高力ボルトの供給不足が社会問題となった時期であったため、鉄筋コンクリ－ト造とCLTパネルの「混構造」を採用し、工期短縮と耐久性の確保を図る計画とした。CLTパネルは、２階の構造材として採用し、できる限り現しの仕上げとすることで、木の香りたつ安らぎの執務空間を確保すると共にコストダウンを図った計画としている。
防災拠点として72時間機能させるための設備を設け、建物背後の崖が万が一崖崩れをおこした場合でも対処できる堅牢な構造とすることで、機能性の維持および安全性・信頼性を備えた消防庁舎としている。
外観は、本庁舎の特徴であるCLTが窓越しに表出する設えとすることでシンボル性のあるデザインとしている。